9月の旅する本3@踊る骸

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作品名踊る骸
作者名カミラ・レックバリ
評価(星4つ)
仕事を終えた夜中、
手を出してはいけないものを
思わず手にしてしまいました。

北欧ミステリー、踊る骸です。
エリカ&パトリック事件簿シリーズの
第五弾です。

このシリーズ、とても読みやすくて
文章も親しみやすく、
あらゆる描写が細かくてわかりやすい分、
毎度分厚い仕上がりで、今回も2.5㎝042.gif


ところが、ページをめくると最後。
止まらなくなります。

スウェーデンのフィエルバッカという
田舎の港町で、
たいがい最初は
残忍極まりない
殺人事件から始まります。

そこでエリカという作家と
彼の夫の刑事パトリックが
事件を解決していくのですが、
あとがきで池上冬樹が書いているように、
テレビドラマ的な彼らの家庭模様も
同時進行します。
これが、共感だらけで楽しい。

殺人事件には、
コンプレックスやら、トラウマやら
愛憎やら、
様々な人間ドラマが絡められ、
ミステリーに深みを与えてます。

今回は、
エリカの母の遺品の中から
見つかったナチスの勲章が鍵となり
物語が進みます。
勲章を調べてほしいと依頼した
町の歴史家が、死体となって発見され、
これをきに、
エリカの母を巡る様々な謎が解明されます。

実は、シリーズを通して
エリカには、亡き母から愛されなかった
という苦しみというか悲しみが、
つきまとっています。
その答えもこの本で、わかるのです。

それは、あまりに悲しい愛の
物語なのですが、
今、自分が親となってみると
なかなか納得できない部分が大きかったです。
ただ、私はエリカの母のように
壮絶な体験をしていないから
そう思うのかも。

エリカの物語と同時に
私がとても惹かれたのは、
ネオナチ系組織(ナチスを崇拝。
純血主義的思想。移民排除したがる)
のリーダーで、
若き日は、エリカの母とも友人だった
フランス(男性)です。

極端な思想を持ち、
犯罪もいとわない彼は、
我が子とも絶縁状態、というより、
息子は記者として
父を批判し追い詰めることを
生きがいにしています。

フランス自身、
非常にえげつない父を持っていましたが、
彼は一見その父と似ているようでいて、
非なるものがあり、
それは善なのか、優しさなのか、
純粋さなのか
わからないのですが、
何か一筋を感じさせます。
イメージで言うと、ヤクザ映画の
高倉健みたいな。
ちゃんと観たことないけど。

彼と息子との間にも
ドラマがあるのですが、
私はこれに泣きました。

今回、私は、
親と子の物語としてこの本を
読みました。
非常に切なかった。

そんな中で、レギュラーメンバー、
嫌われ者でどこか滑稽な
警察所長メルバリはこの話に
救いを与えてくれました。
意外にも!

読み終えたら、案の定
夜中3時……

やっちまいました。。。
読んだあとは、誰かと感想を共有したくて、
Amazonレビューへ(笑)
意外に評価高くないなあ。

さて、最後に、
最近、集英社文庫の
海外小説シリーズお気に入りです。
キャッチフレーズは、
あなたと世界をつなぐ数百ページ
だったかな?
まさに、それを求めているんですよ001.gif

056.gif写真は、今日の夕方の空。黄色というか金色で、
別世界のようでした。
一日雨が降ったり止んだりで、
最後の太陽がふんばったかのような
異様な気合をかんじたような気がしました。

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by x7nanax | 2013-10-02 21:46 | 夫人の本棚 | Trackback | Comments(0)